万一の事故の際や交通トラブルに巻き込まれた際に、映像として記録し、証拠として残せるドライブレコーダーは、需要が高まっています。単にドライブレコーダーといっても3,000円前後から3万円を超える価格のドライブレコーダーがあり、メーカーや性能により価格差が大きいのもドライブレコーダーの特徴です。
今回は、ドライブレコーダーにどこまでの機能を求めるか、どの機能が自分にとって必要か、を見極めながらドライブレコーダーのおすすめ商品の紹介、ドライブレコーダーの基本的な機能の紹介とドライブレコーダーの最適な選び方を詳しく解説していきます。
ドライブレコーダーの選び方のポイントを徹底解説
ではさっそくドライブレコーダーの購入を検討する前に、正しい選び方について解説していきます。
画質は重要!フルHD以上のドライブレコーダーを選ぶ
事故の際の証拠映像となるドライブレコーダーの映像が不鮮明なら折角ドライブレコーダーを取り付けていても意味がありません。
相手のクルマのナンバーが読み取れるかどうかをひとつのポイントとして考慮すれば、200万画素フルHD以上のドライブレコーダーがおすすめです。特に、インターネット通販で3,000円前後のドライブレコーダーを購入検討している場合には、注意が必要です。
水平画角が広いドライブレコーダーを選ぶ
正面衝突の事故はあまり多くなく、どちらかと言えば、斜めからまたは横から衝突された場合が多くなくります。真横への衝突に対しては撮影が困難ですが、斜めから衝突の場合には、水平画角が広いドライブレコーダーの場合カバーできる場合があります。
水平画角は、安価なモデルですと105°前後ですが、おすすめは110°以上です。ユピテルやコムテックのドライブレコーダーは120°以上商品が多く、価格は高めですが、安心感の高いドライブレコーダーを選ぶことができます。
駐車監視機能の必要性で選ぶ
パーキングモード等よび方は様々ですが、エンジンを切った状態で駐車中にも撮影可能なドライブレコーダーがあります。駐車中の当て逃げ事故の際の車両特定や、いたずら対策に役立ちます。
ユピテルのドライブレコーダーの場合には、駐車記録用オプションで「マルチバッテリー」があります。走行中にマルチバッテリーにあらかじめ充電充電を行い、エンジンを切ってからは、蓄えられたバッテリーから電源供給を行い駐車記録を行います。
車両バッテリーからの電源供給と違い、バッテリー上がりの心配がありませんので安心です。インターネット通販で格安で販売しているドライブレコーダーにも駐車監視機能が付いている商品もあります。蓄電機能を装備した商品なら問題ありませんが、常時電源から電源を確保し駐車監視機能を利用する場合には、バッテリー上がりに注意しなければなりません。
また、取付に自信ない場合には、ショップに取付を依頼してバッテリー上がりの心配を回避することをおすすめします。
LED信号に対応したドライブレコーダーを選ぶ
LED信号機は点灯しているように見えますが、実は高速で点滅を繰り返しています。東日本エリアの50ヘルツエリアでは100回/秒、西日本エリアの60ヘルツエリアでは120回/秒と高速で点滅させて点灯しているよう見せています。
ドライブレコーダーの撮影もビデオカメラと同様、短時間に1枚1枚撮影された静止画を連続させることによって動画となります。1秒間に撮影する静止画の枚数を「フレームレート」と言います。1秒間で30枚撮影するカメラを「30fps」と表記しています。
ドライブレコーダーには、30fpsのものがあり、東日本エリアでは問題無いのですが、西日本エリアの場合、信号機が120、ドライブレコーダーが30、で信号機の倍数になります。 一度信号機の消えているところを撮影してしまえば、その信号機はずっと消えているタイミングで撮影され続け、いざという時に信号機の映像は無灯状態になります。
ドライブレコーダーを選ぶ際には、100と120が倍数になるフレームレートのドライブレコーダーをさけ、27.5fpsなどLED信号機対応商品を選ぶことが大切です。フレームレートが表記されていなくても「LED信号対応」と表記されている商品を選べば大丈夫です。
記録方法でドライブレコーダーを選ぶ
ドライブレコーダーの撮影記録の方法は、SDカードに記録する方式とSDカードに加えてWiFiを利用してスマートフォンに記録する方式があります。
ドライブの記録など撮影した映像を頻繁に確認したい場合にはWiFi機能を持つドライブレコーダーがおすすめです。しかし、事故など異常時以外はめったに映像を確認しない場合には、SDカード記録のみで十分です。
なお、SDカードは16GB以上でクラス10のSDカードをおすすめします。インターネットで販売されている格安ドライブレコーダーはSDカードの挿入位置が不便な場所にあったり、使い勝手が悪い場合もありますので、レビュー等で確認して購入することをおすすめします。
HDR機能付ドライブレコーダーを選ぶ
HDR(ハイダイナミックレンジ)とは、逆光時や明暗差が大きいトンネルの出入口、また夜間撮影時等、コントラスト比が大きい状況下で撮影された画像の黒つぶれや白とびを補正し抑制します。 HDR機能の付いていないドライブレコーダーは、逆光時やトンネルの出入り口、夜間の撮影時に映像が鮮明に撮影できない恐れがあります。 HDR機能の「あり」「なし」ではどれくらい違うのかは、こちらの動画をご覧いただけると分かりやすいかと思われます。
後方撮影用のリアカメラ搭載モデルを選ぶ
事故時の映像を記録するのみでなく、後方からあおられた場合など、証拠映像として残すことができるのがリアカメラ搭載モデル、2カメラモデルです。
ユピテルやコムテックなど国内有名ブランドの2カメラモデルは3万円を超える価格ですが、インターネット通販で販売しているドライブレコーダーでメーカーを問わない場合には1万円以下で2カメラモデルが販売されています。
フロントのみでなく、リア映像も重視する場合には、2カメラモデルを選ぶことをおすすめします。 2カメラモデルを購入する際の注意点は、リアのカメラを車内に設置するか車外に設置するか、配線の通す場所など考慮する必要があり、取付に自信ない場合には、取付をショップに依頼する必要があります。
フロントカメラのみのモデルと比較して取り付け工賃が高くなることも考慮しておくことも大切です。
ドライブレコーダーは前後をおすすめする理由!
あおり運転の場合には、後ろから車間を詰められたり、過度なパッシングなども多く、フロントのみのドライブレコーダーの映像では記録出来ません。
最近では、後ろも撮影可能なリアカメラ付きのドライブレコーダーの人気が高くなっています。後方も撮影可能なリアカメラの必要性を含めて、役割・効果を詳しく紹介します。
追突事故時の証拠映像としてのリアカメラ
後方から追突された事故については、停車中の事故であれば0:100で追突した側に過失が認められます。前方の映像しか記録できないドライブレコーダーの場合には、衝撃は感知しても追突された時の映像は記録されません。
リアカメラが装着されていれば、相手が追突してきたときの映像が記録できます。あおり運転対策や追突事故に巻き込まれた際の証拠映像を記録するためのリアカメラは人気で、ドライブレコーダーを装着するなら前後撮影可能なトライブレコーダーを購入するユーザーが増えています。
後方撮影のためにリアカメラを装着する場合には、リアガラスまで配線を行う必要があります。フロントからリアまで天井に配線を張る必要があります。また、車両後方の外側に装着する場合には、トランクゲートやリアゲートの内張りを外したりしなければなりません。
サイド&カーテンエアバッグ装着車は、天井配線や、ピラー(柱の部分)配線は危険ですので、フロアマットの下などフロア部分の目立たない部分に配線を張るなど注意する必要があります。自信が無い場合や、不安な場合には、ショップに相談して取り付けることをおすすめします。
「後方録画中」のステッカーを有効活用
後続車両は、前方の車に後も記録可能なドライブレコーダーを装着しているかどうか判断しずらい場合があります。「後方録画中」のステッカーを貼り付けることにより、後続車両に後も撮影していることをアピールすることができます。
後方の撮影記録と同時に、あおり運転を抑止させる効果が十分にあります。
あまりおすすめはしませんが、リアカメラが装着されていないクルマでも「後方録画中」のステッカーを貼り付けることにより、あおり運転を抑止させる効果があります。当然ながら、なにも証拠となるものはありません。
いたずら防止のためのドライブレコーダー
ドライブレコーダーは走行時の映像を記録するのがメインですが、パーキングモードや駐車監視と呼ばれる、エンジンを切って駐車中にも記録可能なドライブレコーダーもあります。駐車場での当て逃げや、いたずら対策に役立ちます。
パーキングモードの録画方法には、常時撮影している防犯カメラと同様の役割を持つ機種と、Gセンサーの衝撃を感知して一定時間撮影を開始する機種と、動く物を感知した場合に一定時間撮影を開始する機種の3通りの方法があります。
ドライブレコーダーをおすすめ9選を比較!性能や価格は?
ドライブレコーダーの価格は、3,000円前後から購入できる商品もあれば3万円を超える高価格かつ高性能な商品もあります。ドライブレコーダーは、インターネットでも購入可能ですし、オートバックスやイエローハットなどカー用品店でも販売しています。また、メーカー系自動車ディーラーで新車を購入の際に、メーカー純正のドライブレコーダーも装着可能です。
今回は、人気のドライブレコーダーを紹介し、そのドライブレコーダーの機能や性能、価格を徹底比較します。同時に、新車購入時にドライブレコーダーの装着を検討している方向けにディーラーで装着するドライブレコーダーの特徴も紹介します。
前後2カメラタイプおすすめドライブレコーダー3選を比較
メーカー | ケンウッド | コムテック | ユピテル |
---|---|---|---|
商品名 | DRV-MR740 | ZDR-015 | DRY-TW9100d |
解像度 | 1,920×1,080 | 1,920×1,080 | 1,920×1,080 |
フレームレート | 27.5fps | 19.1fps/29.1fps | 15fps/30fps |
水平視野角 | 前:100°後:100° | 前:115°後:112° | 前:117°後:127° |
SD(micro)最大 | 32GB(16GB付属) | 32GB(16GB付属) | 32GB(16GB付属) |
LED信号機対応 | 〇 | 〇 | 〇 |
GPS測位 | 〇 | 〇 | 〇 |
駐車監視機能 | △(オプション) | △(オプション) | △(オプション) |
内臓バッテリー | 〇 | 〇 | × |
フルHD | 〇 | 〇 | 〇 |
価格 | 26,800円 | 24,574円 | 33,890円 |
ケンウッド DRV-MR740の特長
ルームミラーの前方にスッキリ収まるコンパクトサイズで場所を取らないのが人気です。前方衝突警告や車線逸脱警告、発進遅れ警告など、安全運転支援機能がドライブレコーダーに搭載されるのも大きな特長です。
リアカメラのケーブル長が8mと長く大型ミニバンでフロア配線でも安心です。
万一、ドライブレコーダーを設置した車両で1年以内にレッカー搬送を伴う交通事故にあわれた場合に、ドライブレコーダーの再購入費用及び諸経費を補てんする目的で、補償金が支払われる制度が適用される商品に該当し、一律4万円がドライブレコーダー協議会から支払われます。
コムテック ZDR-015の特長
視野角も十分で、フルHD200万画素の高画質2カメラドライブレコーダーで25,000円を切る価格でお求めやすい商品です。カメラはHDRを搭載し、逆光時や明暗差が大きいトンネルの出入口、また夜間撮影時に生じる黒つぶれや白とびを抑制します。
ケンウッド商品同様、安全運転支援機能がドライブレコーダーに搭載されます。
先行車発進お知らせ機能や車線逸脱お知らせ機能、先行車接近お知らせ機能などを装備し、先進安全装備未装着のクルマに装着することで、より安全性能を高めることができます。
コムテック商品は、ドライブレコーダー協議会からの一律4万円の補償金は対象外です。
ユピテル DRY-TW9100dの特長
今回比較の3商品の中では価格が最も高く3万円を突破します。
しかし、前後の水平視野角が最も広域で斜めからの衝突事故時の記録範囲が広いのが特徴です。カメラはHDRを搭載し、逆光時や明暗差が大きいトンネルの出入口、また夜間撮影時に生じる黒つぶれや白とびを抑制します。
また、リアカメラのプライバシーガラス透過率が28.6%と高く、リアカメラを車内に設置しても鮮明に記録されます。ケンウッド商品同様、1年以内のレッカーを伴う事故の際に、補償金が支払われる制度が適用される商品に該当し、一律4万円がドライブレコーダー協議会から支払われます。
360度カメラタイプおすすめドライブレコーダー3選を比較
メーカー | ユピテル | DW(ドライブワールド) | カーメイト |
---|---|---|---|
商品名 | Q-01c | J500-SD | ダクション360 |
解像度 | 2,560×1,080 | 1440×1,440 | 2,880×2,880 |
フレームレート | 1/5/10/15/30fps | 24/24/24fps | 27.5/27.5/27.5fps |
水平視野角 | 360° | 360° | 194° |
SD(micro)最大 | 32GB(16GB付属) | 32GB(16GB付属) | 32GB(16GB付属) |
LED信号機対応 | 〇 | 〇 | 〇 |
GPS測位 | 〇 | × | 〇 |
駐車監視機能 | △(オプション) | 〇 | 〇 |
内臓バッテリー | 〇 | 〇 | 〇 |
フルHD | 〇 | 〇 | 〇 |
価格 | 47,980円 | 17,800円 | 37,635円 |
ユピテル Q-01cの特長
水平360°+垂直360°の全方位720°の映像が記録できるのが特徴です。フロントガラス上部に取り付け12Vシガー電源から使用でき取付も簡単です。白とびや黒潰れを抑制するHDRも搭載しています。
本体に液晶画面が無いため、その場で映像の確認は出来ませんが、専用ビュアーソフトで再生できます。少々価格が高めですが、全方位撮影可能なドライブレコーダーです。
DW(ドライブワールド) J500SDの特長
ルームミラー取付型の360°カメラ付ドライブレコーダーです。
本体価格がお求めやすく2万円を切る価格です。360°記録可能なドライブレコーダーをとりあえず取り付けたい方におすすめです。内臓バッテリーも装備し駐車監視機能も装備されますので、駐車中の当て逃げ対策にも対応します。解像度が他の機種よりも低いため画質が粗く感じ、GPS機能はありません。
カーメイト ダクション360の特長
360°撮影できるカメラで、従来のドライブレコーダーでは記録できなかった、交差点での横からの飛び出しや、後方からの無理な追い越しなどまで幅広く記録できるのが特長です。
駐車監視機能も装備されますで、駐車中の当て逃げやいたずら対策に役立ちます。360°という広範囲の映像を記録しますが、反面、特定のアングルのみを切り出して表示すると、従来のドライブレコーダーのフルHD画質よりも粗くなり、ナンバープレートが見えにくくなります。
フルHD+HDR付の低価格おすすめドライブレコーダー3選を比較
メーカー | コムテック | ユピテル | ケンウッド |
---|---|---|---|
商品名 | ZDR-012 | WD300 | DRV-230 |
解像度 | 1,920×1,080 | 1,920×1,080 | 1,920×1,080 |
フレームレート | 9/19/29fps | 10/20/27.5fps | 27.5fps |
水平視野角 | 109° | 95° | 100° |
SD(micro)最大 | 32GB(8GB付属) | 32GB(8GB付属) | 32GB(16GB付属) |
LED信号機対応 | 〇 | 〇 | 〇 |
GPS測位 | × | 〇 | × |
駐車監視機能 | △(オプション) | △(オプション) | △(オプション) |
フルHD | 〇 | 〇 | 〇 |
価格 | 9,800円 | 9,853円 | 10,797円 |
コムテック ZDR-012の特長
1万円を切る価格で200万画素フルHDのスペックを持つドライブレコーダーが手に入ります。
水平視野角が今回比較する機種の中で最も広いのが特長で、LED信号もしっかり記録する他、逆光に強いHDRを搭載し白とびや黒つぶれのない鮮明な映像を記録できます。付属のSDカードが8GBですので、予備用に保管し、16GB以上のSDカードを購入し使用することをおすすめします。
ユピテル WD300の特長
200万画素フルHD映像で記録可能で、逆光に強いHDRを搭載し白とびや黒つぶれのない鮮明な映像を記録できます。1万円を切る価格で記録位置・日時・速度情報なども記録するGPS機能を搭載します。
万一時のロードサービスが無料で付いてくるのが特長で、タイムズクラブのロードサービス「カーレスキュー」が1年間無料で入会出来ます。
ケンウッド DRV-230の特長
200万画素フルHD、LED信号、HDRに対応し、1万円をわずかにオーバーしますが、SDカードは16GBを付属しますので、ユピテルやコムテックの商品と比較するとSDカードをそのまま使用しても十分な記録量が確保できるのでおすすめです。
お求めやすい価格の商品ですが、1年以内のレッカーを伴う事故の際に、補償金が支払われる制度が適用される商品に該当し、一律4万円がドライブレコーダー協議会から支払われます。
ドライブレコーダー装着による安全運転への意識向上に役立てよう
ドライブレコーダーは、運転状況を記録し続けます。悪質な運転をした場合には、自分のドライブレコーダーの映像が証拠映像になります。
また、自分に過失がある事故もその過失をしっかり証明します。 ドライブレコーダーを装着することで、こちらが悪くならないような運転に心がける、安全運転に心がけると言った安全運転に対するドライバーの意識向上につながります。
是非、本記事を参考にし、あなたに合ったドライブレコーダーが見つけてください。