毎年11月後半から12月にかけて、降雪が予想される地域にお住いの方々はクルマのタイヤをスタッドレスタイヤに交換するのではないでしょうか。また、3月後半から4月にかけてノーマルタイヤに交換するのではないかと思います。
基本的には年に2回タイヤを交換する必要がありますが、ノーマルタイヤを装着している時にはスタッドレスタイヤ、スタッドレスタイヤを装着している時にはノーマルタイヤを保管しておかなくてはなりません。
クルマ1台分でタイヤ4本、2台分ならその倍です。一軒家で物置があったり、マンションの物置スペースや倉庫があるなどスペースに困らない方は問題ありませんが、マンションやアパートにお住まいで保管場所が無く、室内にやむなく保管しているケースもあります。
今回は、交換後使用しないタイヤを預かり保管してくれるサービスを紹介するとともに、参考となる保管料金やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
タイヤ保管サービスとは
冬期間に使用しないノーマルタイヤや冬期間以外に使用しないスタッドレスタイヤを、ディーラーやガソリンスタンド、タイヤショップ、カー用品店がユーザーのタイヤを有償で預かり保管するサービスです。
保管料金は、各地域やディーラー、ショップにより異なりますので、お近くのショップに直接お問い合わせください。また、クルマへのタイヤ脱着料金は別途必要になります。
タイヤ保管サービスを利用するユーザー側のメリット
タイヤ保管サービスを利用することで、タイヤを自宅に保管する必要がなくなります。室内に保管している方は、室内のスペースが有効に使用でき、タイヤ独特のゴム臭さから解放されます。
自宅のベランダやアパートやマンションでの2階以上にお住まいの方は、タイヤを運ぶ労力から解放されます。アパートでエレベーターが無い場合は、タイヤ交換のたびに苦しい思いをしていたことが無くなります。
タイヤを業者に預けることで、タイヤの劣化につながる紫外線があたらない専用の保管倉庫に保管するためタイヤの劣化を防ぐことができます。また、タイヤ交換時には、空気圧調整も行ってくれたり、ホイールバランスも調整してくれるケースもあります。
タイヤ保管サービスのショップ側のメリット
タイヤ保管サービスを利用していただくことで、ショップ側にも大きなメリットがあります。
極端な例えになりますが、タイヤを担保にしていると考えてもよいのです。毎年、タイヤ交換の時期になると、ユーザーからタイヤ交換の予約が入り、タイヤ交換に伴う脱着工賃を売り上げることができます。
さらに、タイヤの減り具合やゴム質の劣化、ヒビなどを理由にタイヤの買い替えを促すことが容易になり、新しいタイヤの販売につながり易くなります。
新車を販売するディーラーの場合、クルマの点検や車検のみならず、タイヤ交換の時期にも来店していただけることで、新型車の紹介や代替えの勧めなど話しやすい環境になり、ユーザーの囲い込みに大きく貢献するサービスになります。
タイヤ保管サービスのデメリット
タイヤ保管サービスを利用することでメリットが多くありますが、デメリットもあります。
タイヤの交換の際には、いつでも交換できるわけではありません。大抵、タイヤは店舗とは別の保管倉庫に保管しています。 例えば東京トヨペットの場合には、ブリヂストンタイヤの倉庫に保管するなど、管理を徹底しています。そのため、タイヤを交換する場合には、予め予約が必要で、予約に合わせて倉庫からタイヤを運んでこなければなりません。
大抵は、10日以上前の予約や2週間以上前の予約が必要になっていますので、ショップに預ける際にご確認ください。
タイヤが劣化したなどの理由でタイヤを交換したい、新しいタイヤに交換したい場合に、他店に持って行きにくい状況にあり、タイヤを預けたショップで購入するケースも少なくありません。他店に持っていったり、インターネットで安いタイヤに履き替えたい場合には、そのタイヤを履いている時に交換することをおすすめします。
ノーマルタイヤは11月頃、スタッドレスタイヤは3月頃に新しいタイヤを購入し、タイヤを入れ替えてからタイヤを預け保管してもらうことで自由にタイヤの履き替えが可能になります。
現在装着しているタイヤと保管していたタイヤを交換する際に、まだそんなにタイヤが減ってないのに買い替えを勧めてくる場合があります。特に、ガソリンスタンドに多く見られます。ガソリンスタンドは、ガソリン価格をギリギリの価格で設定しているため、物販で収益をプラスするしかありません。
そのため、スタッフにもタイヤの買い替えやエンジンオイル交換など積極的に勧めるよう指導しているスタンドもあります。
タイヤ保管サービスの料金紹介
タイヤ保管サービスの料金は、各地域により異なります。
また、ショップによっても異なりますので実際にタイヤ保管サービスを利用の際には、利用したいショップに直接お問い合わせください。ここでは、参考までに一例を紹介します。
なお、オートバックスやイエローハットなど各地に出店しているカー用品販売店でも、各地域によって異なります。ホームページを確認しても「詳しくはお近くの店舗にお問い合わせください」と表記されています。
14インチは軽自動車サイズ、16インチは普通車サイズで、カー用品店及びガソリンスタンドの料金例は店舗に電話にて確認した料金になります。また、料金はタイヤ保管料金のみで、タイヤ交換(脱着)料金は含まれていません。
タイヤ交換(脱着)料金は、2,160円から3,240円が目安です。17インチサイズや18インチサイズのアルミホイールの場合、RV車の場合など別途追加料金が必要なショップもありますので、併せてご確認ください。
自動車販売ディーラーのタイヤ保管サービス料金
サイズ | 料金 | |
---|---|---|
トヨタカローラ宮城 | 14インチサイズ | 6,912円(1シーズン・1年間は13,824円) |
16インチサイズ | 9,288円(1シーズン・1年間は18,576円) | |
日産プリンス宮城 | 14インチサイズ | 7,560円(1シーズン・1年間は15,120円) |
16インチサイズ | 9,720円(1シーズン・1年間は19,440円) | |
東京トヨペット | 14インチサイズ | 8,100円(1シーズン・1年間は16,200円) |
16インチサイズ | 9,180円(1シーズン・1年間は18,360円) | |
ボルボカーズ山形 | 14インチサイズ | 8,100円(1シーズン・1年間は16,200円) |
16インチサイズ | 9,180円(1シーズン・1年間は18,360円) |
「日産プリンス宮城」
東京トヨペット「タイヤ預かりサービス」
ボルボカーズ山形「タイヤホテル」
大手カー用品ショップのタイヤ保管サービス料金
サイズ | 料金 | |
---|---|---|
イエローハット | 14インチサイズ | 4,320円(1シーズン・1年間は8,640円) |
16インチサイズ | 6,180円(1シーズン・1年間は12,360円) | |
オートバックス | 14インチサイズ | 4,100円(冬季)、5,740円(夏季)(1年間は9,840円) |
16インチサイズ | 9,720円(1シーズン・1年間は19,440円) |
タイヤ専門店のタイヤ保管サービス料金
サイズ | 料金 | |
---|---|---|
仙台タイヤ | 14インチサイズ | 4,536円(1シーズン・1年間は9,072円) |
16インチサイズ | 4,536円(1シーズン・1年間は9,072円) |
ガソリンスタンドのタイヤ保管サービス料金
サイズ | 料金 | |
---|---|---|
エネオス ドクタードライブ | 14インチサイズ | 4,320円(1シーズン・1年間は8,640円) |
16インチサイズ | 6,480円(1シーズン・1年間は12,960円) |
タイヤ保管料金は、新車販売ディーラーが高いことがわかります。イエローハットがカー用品店では安く、ガソリンスタンドもほぼ同額です。タイヤ専門店も安い料金ですが、そのショップで購入したかどうかでも料金が異なる場合があります。
また、ホイールのインチ数によっても金額が異なりますので、17インチや18インチの場合は、さらに金額が上乗せになるケースがほとんどです。
イエローハットのタイヤ保管料金がお得ですが、今回筆者が問い合わせたイエローハットの店舗では、タイヤを保管する倉庫がいっぱいのためお受けすることは出来ませんとのことでした。お得にタイヤ保管サービスを利用するには、早めの予約が大切です。
トランクルームの利用は?
最近、自宅以外に保管場所が欲しい、バイクを収納しておく場所が欲しい、コレクションアイテムを隠しておく場所が欲しいなど様々な理由でトランクルームを利用する方が増加しています。
プレハブ建物のように屋外にあるトランクルームのほか、建物内に小さく区切られた部屋がある屋内のトランクルームもあります。
トランクルームまでクルマでタイヤを運び、トランクルームにタイヤを保管する方法もタイヤ保管には良い方法です。タイヤ以外にも、空いているスペースに自宅に保管していてすぐには使用しない物も保管することが可能です。
トランクルームの利用料金は?
トランクルームの利用料金は、各地域により異なります。また、屋内・屋外によっても、広さによっても料金が異なります。
トランクルーム利用料金 | |
---|---|
東京23区内 | 約8,000円/月~ |
大阪市内 | 約5,400円/月~ |
仙台市内中心部付近 | 約4,400円/月~ |
各地域で、中心部に近いほど月額利用料金が高くなり、郊外ほど安くなります。
トランクルームでタイヤを保管するメリット
タイヤ保管のためトランクルームを利用することで、自宅で保管していたスペースを空けることができます。アパートやマンションでタイヤを運ぶ手間が無くなります。直射日光が当たることなくタイヤが紫外線から守られることでゴム質の劣化を防ぐことができます。
ショップのタイヤ保管サービスと異なるメリットは、タイヤを自由に取り出すことができ、もちろん予約の必要はありません。
タイヤの劣化に伴うタイヤ購入の際には、インターネットでタイヤを選んだり、カーショップ、タイヤ専門店を見て回るなど、気軽に自由にタイヤを選ぶことが可能です。ショップのように勧められることはありません。
トランクルームでタイヤを保管するデメリット
タイヤ保管のためトランクルームを利用するデメリットは、月額利用料金が高額であることです。1か月分の利用料金でショップに約半年間タイヤを預けることができます。
トランクルームまでは、ユーザー自身で搬入する必要があります。屋内のトランクルームの場合、搬入路が狭いケースや2階以上の保管場所の場合、自宅保管と同じような労力が必要になる場合もあります。
トランクルームは、自宅の倉庫と同様のため、タイヤ交換は自分自身で行うか、改めてショップに予約するなど持ち込み交換をお願いする必要があります。