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家族葬とは?その流れや費用の相場についても解説

家族葬とは?その流れや費用の相場についても解説

近年、家族葬という言葉を耳にするようになりました。一昔前と違って核家族が増えてきたこともあり、現在では葬儀の約4割が家族葬となっています。

これまで伝統を重んじてきた人も、家族葬の認知度が上がってきたことにより、抵抗が少なくなってきているのではないでしょうか。ここでは、家族葬の特徴やその理由、費用やデメリットについて紹介しています。

目次

家族葬とは

家族葬とは、家族や親族などのごく親しい人たちだけで小規模の葬儀を行うことです。友人や近所の人、職場の人には葬儀への参列を遠慮してもらい、10〜30人ほどの参列者が一般的です。これといった決まったスタイルはなく、家族だけの10人以下の家族葬もあれば、親しい人も呼んだ50人以上のものもあります。

家族葬はオーダーメイド的な側面があります。葬儀社に手配してもらうのは遺体の運搬、棺、骨壷の手配のみというケースもあれば、一般葬に近いものもあり、その内容はさまざまです。

参列者

家族葬に呼ぶのは、故人の同居家族、三親等までの親族までのことが多いようです。

しかし、家族葬には特にこれといった形が決められているわけではありません。親族ではなくても故人が家族同様に付き合っていた人もいるでしょうし、三親等に当たる甥や姪は遠方に住み、ほとんど付き合いはなかったという場合もあるでしょう。

一番大切なのは故人の遺志です。

訃報のお知らせはしない場合が多い

家族葬の場合は通常、死亡通知や葬儀の内容を新聞で告知しません。しかしあらかじめ、家族葬である旨や、焼香、香典、献花などを遠慮してもらうことを載せることもあります。

その場合、葬儀の日程や場所は伝えずに、亡くなった日付と死因を伝えるようにしましょう。通常は四十九日の法要を行った後に、親族、近親者、親しい友人などにハガキで通知されます。

家族葬にする理由

家族葬にする理由は人によって違いますが、さまざまな理由があります。

故人をゆっくり偲びたい

家族葬であれば、お寺や葬儀社とのやり取りなどを最小限に抑えることができるため、お寺や葬儀社の都合に合わせて慌ただしく動く必要がなく、故人とゆっくりとお別れをすることができます。

また、参列者の対応にも追われることがないため、その分、故人との時間に使うことができます。

費用を抑えられる

家族葬は、世間体や体裁を気にしなくてよいため、見栄えにこだわることなく、葬儀にかかる様々な費用を最小限に抑えることができます。

例えば、飲食を用意せず故人が好きだった店で家族だけで食事をしたり、返礼品を用意しないなど、無駄と思える部分を省くことができます。

故人の遺志

現代では人の死生観も多様化してきています。信仰もなく、死んだら本人には何も分からないのに、葬儀に大金をかける意義があるのか、それよりも残した家族にお金は有効に使って欲しい、という人も少なくありません。

生前から自分の葬儀は必要ない、葬式は生きている人間の自己満足だ、と家族葬を希望する旨をエンディングノートに書き残す人もいるため、故人の遺志が反映されやすくなってきました。

遺族の負担の軽減

近年では、故人の子供が遠方に住んでいるケースも増えてきており、そうなるとお返しも大変になります。また、少子高齢化により、子供一人当たりの負担も増えているため、大規模な葬儀を行えない場合もあります。

参列者が少ない場合

近年では医療の発達により、高齢化が進んでいます。そのため、働いている頃はたくさんの付き合いがあっても、退職後、付き合いが少なくなってから長年が経つ場合も多いでしょう。

また、時代による人間関係の希薄化や、故人と付き合いのあった人も高齢で参列が難しい場合もあります。このように参列者が少ないと見込まれる場合は、香典も少なくなるため、一般層で赤字になるよりも家族葬の方が費用を抑えられます。

葬儀の内容をカスタマイズできる

一般葬であれば、パッケージの内容が予め決められていますが、家族葬であれば、必要でない内容を省いたり、特にこだわりたい内容に力を入れたりと自由にカスタマイズすることが可能です。

また、故人が好きだった音楽を流したりと、従来の形式にとらわれない自由な葬儀をすることもできます。

家族葬の流れ

家族葬をする場合も、流れ的には一般葬の場合とあまり変わりはありません。

ただし、通夜をせずに1日葬にする場合、告別式もせず火葬式する場合、宗教的儀式をしない場合など、家族葬のスタイルによって省略する部分が出てきます。

STEP
遺体のお迎え

葬儀社に連絡をし、遺体を搬送してもらいます。自宅に搬送してもらう場合で、近所の人に知られたくない場合は、一見寝台車だと分からないような車や葬儀屋だと分からない服装で搬送してくれる葬儀社もあります。

また、深夜や早朝に運んでくれる葬儀社もあるため、相談してみましょう。マンションなどの場合で自宅に安置することが難しい場合は、安置所へ運ぶことになります。

STEP
安置

安置所を利用する場合は、冷蔵施設を完備していたり、24時間いつでも面会可能なところもあります。

STEP
訃報に家族葬であることを明記

訃報で家族葬であることを事前に知らせる場合は、葬儀への参列をお断りする旨を明記します。香典や供花も辞退する場合はその旨も明記しておきましょう。

STEP
納棺

通夜などの時間に合わせ、遺族立ち会いのもと、葬儀社が故人を棺に納めます。

STEP
通夜

通夜を行う場合も、家族しかいないためゆっくりと故人との最後の夜を過ごすことができます。自宅でない場合、斎場によっては、家族が宿泊できる施設もあります。

STEP
告別式

遺体を葬儀場まで搬送し、故人との最後のお別れをします。

STEP
出棺

故人を寝台車に乗せ、火葬場まで搬送します。

STEP
火葬

遺体を火葬場まで搬送し、火葬を行います。

STEP
初七日法要

お坊さんに来てもらう場合は、初七日法要を早めて同日に行うのが一般的です。告別式の最中に行う式中初七日と、火葬後に行う初七日法要があります。

STEP
精進落とし

僧侶や参列者と一緒に料理をいただきます。式中初七日の場合は、火葬時に休憩室で精進落としをいただくのが一般的です。

STEP
葬儀後のお知らせ

家族葬への参列を遠慮してもらった人や、故人の逝去を知らせなかった人に、家族葬を終えたことを知らせるハガキを出します。送る時期は、四十九日の法要を終えた後、納骨を終えた後、年末の喪中ハガキといったタイミングが一般的です。

STEP
自宅へ来る弔問客への準備

家族葬の場合は、どうしてもお別れをしたいと自宅に弔問にやってくる人もいます。その人たちの訪問に備え、返礼の準備はしておく方がよいでしょう。

家族葬の場合のオプション

家族葬に決まった形はありませんが、省かれるとすれば次のような内容があります。

通夜

家族葬では通夜を省くことも少なくありません。昨今では通夜にも一般の人々が参列するようになりましたが、本来は家族や親族などのごく親しい人たちだけで故人にお別れをし、告別式は一般の弔問客が参列するものと区別されていました。

家族葬では、一般の弔問客を迎えることはないため、通夜と告別式の区別が必要ありません。そのため、通夜なしの場合は「1日葬」と呼ばれ、一般的になってきました。

通夜をしないからといって故人と過ごす時間が減るわけではなく、単に通夜という儀式を行うか、行わないかの違いしかありません。亡くなってから24時間以内に火葬を行なってはいけない、という法律があるため、少なくともその間は故人を偲ぶ時間があります。

通夜をしないメリットとして、経済的負担の軽減があります。通夜と告別式をする場合、施設使用料が2日分かかりますが、通夜をしない場合は1日分で済みます。ただし通夜をしない場合も斎場によっては、前日の準備として施設使用料がかかることもあるため確認が必要です。

また、通夜をしないことによって、2日かけて行われる通夜・告別式の斎場までの移動や弔問客への応対といった、遺族の身体的、体力的負担を軽減することもできます。

宗教的儀式

無宗教の場合や、特に宗教的儀式に対するこだわりがないのであれば、お寺の僧侶や、神主、牧師などを呼ばずに無宗教葬で葬儀を行うことによって、お布施にかかる料金をそのまま節約することができます。

ただし、すでに菩提寺がある場合は、読経を依頼しないことによって、納骨の際や今後の付き合いに支障をきたす可能性もあるため、近親者の理解を得る必要があるでしょう。

香典

家族葬と香典は全く別のものですので、受け取っても受け取らなくても構いません。家族葬と知っていて先方が包んでくれたものなら、葬儀に出られないならせめて香典だけでもという相手の気持ちもありますし、辞退するのも難しいかもしれません。香典をいただいたら、香典返しを忘れずにしましょう。

ただし、香典をいただいた場合、特に田舎であれば訃報が早く広まり、過去に故人や家族が香典を包んだ家庭が、香典を持って突然現れるといったことが1ヶ月以上続いて弔問客疲れをした、その度に礼状を付けて香典返しを送らなければいけなかった、などという実例もあります。

香典返しが大変という理由で家族葬にした場合は、香典返しを断固遠慮する旨を予め表示しておいたほうがいいでしょう。

家族葬にかかる費用

家族葬には、一般的にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

一般的な葬儀にかかる費用の内訳

葬儀にかかる費用には、大きく次の3つに分けられます。

葬儀そのものにかかる費用

葬儀社に支払う、葬儀そのものにかかる費用で、搬送費、施設利用料、火葬費、祭壇費などです。

飲食代、返礼

参列者へのおもてなしにかかる費用で、飲食代、返礼があります。参列者が少ないほど費用を抑えることができます。

宗教的儀式にかかる費用

寺院などへのお布施にあたる費用で、読経料、戒名料、お車代などです。これは葬儀社を通さず、喪主が直接手渡します。

家族葬の相場

家族葬にかかる料金は、宗教的儀式をするか、通夜を行うかによっても違ってきます。家族葬は参列者が少なく、返礼品の費用も最小限で済むため、費用を抑えることはできますが、一番お金のかかる宗教的儀式を行う場合は、一般葬にかかる費用との差はあまりなくなってきます。

家族葬の形にこれといった定義はありませんが、通夜と葬儀・告別式(火葬、式場使用料含む)とした場合、一般葬にかかる費用の全国平均が約117万円なのに対し、家族葬にかかる費用の全国平均は約91万円となっています。

この葬儀そのものにかかる費用に加え、飲食費の全国平均が一般葬で約29万円、家族葬で約18万円、返礼品が一般葬で約32万円、家族葬で約18万円となっています。宗教的儀式を行う場合のお布施の額は変わらないため、一般葬、家族葬共に約47万円となっています。

スクロールできます
一般葬家族葬
葬儀費用117万円91万円
飲食代29万円18万円
返礼品32万円18万円
寺院費用47万円47万円
合計225万円174万円

全国平均によると葬儀全体にかかる平均費用は一般葬が約225万円、家族葬が約174万円となっていますが、同じ内容のパッケージでも葬儀社によっても大きく費用が異なるため、葬儀そのものの費用を50万円以下で出しているところも少なくありません。

予め自分たち家族に必要な内容を書き出しておき、各葬儀社のパッケージを比較することによって、最小限の費用で満足のいくものが選べるでしょう。

家族葬のデメリット

メリットの多い家族葬ですが、故人の生前の付き合いや葬儀内容によっては、デメリットとなることもあります

自宅へ弔問客が来る場合がある

家族葬をすることによって、呼ばれなかった弔問客が自宅にやって来る可能性があります。この場合、バラバラに弔問客が現れるため、かえって遺族の負担が増えるということにもなりかねません。

親族や親しい人の理解を得られない場合もある

家族葬が増えてきたとはいっても、人の考え方はそれぞれです。親族には理解を得られない場合もあるでしょうし、故人と親しかった人に、お別れをしたかったのになぜ呼んでくれなかったのか、と後で言われることもあるでしょう。

持ち出しが多くなる場合がある

家族葬では参列者も少ないため、香典も必然的に少なくなります。特に故人の付き合いが多かった場合は、一般葬で大人数を招いた方が費用を抑えることができるでしょう。故人の生前の付き合いと葬儀内容をよく検討しないと、持ち出しが多くなる場合もあります。

まとめ

家族葬は、参列者の応対に追われないため、故人との最後のお別れがゆっくりできるだけでなく、故人の遺志や遺族の希望に叶った自由度の高い葬儀を費用を抑えた形で行うことができます。

その一方で、何で呼んでくれなかったのかと言われたり、香典も少なくなるため、逆に持ち出しが多くなったりといったデメリットもあるのも事実です。故人の遺志、生前の付き合いの広さなどから考慮して、自分たちに合った葬儀を検討しておきましょう。

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この記事を書いた人

ベビー用品、ランドセル、食品、車、インフラ関連、様々なジャンルのお店、冠婚葬祭、アプリなどの暮らしに特化した様々な専門知識を持ち合わせた編集部です。暮らしるべでは暮らし全般の記事を執筆しており「暮らしの中の知りたいに答える」をテーマにわかりやすい記事をご提供できるように心がけています。

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